よりすすんだ内容 ― 内部の構成
unbrickの内部は、Raspberry Pi Compute Module 3 Lite (CM3L) を中心に、合計8枚の基板でつくられています。
1. マザーボード
unbrickの上部中央にある基板がマザーボードです。
マザーボード上のマイコンは、液晶バックライトのあかるさを調整したり、タッチスクリーンの値をよみこんだりしています。 また、unbrick内部の周辺機器をI2Cでつないでいます。 unbrick内部では、つぎの周辺機器がI2Cにつながっています。
- オーディオDAC
- RTC
- 電源管理マイコン
マザーボードには、CM3Lをさしこむソケットがあります。 CM3Lからは、
- USBコネクタ、
- LCDコネクタ、
- メモリーカードソケット、
などでつかう信号線がマザーボード上にひきだされています。 CM3Lとマイコンは、UARTでつながっています。
マザーボードの右がわには、CM3Lから、GPIOの信号線などがひきだされています。
マザーボードの左がわには、5V, 3.3V, 1.8Vの電圧をうけとるための端子などがあります。
2. CM3L
CM3Lは、さまざまな製品にくみこめるように設計されたちいさなRaspberry Pi 3です。 BCM2837プロセッサと1ギガバイトのメインメモリがのっています。 このBCM2837プロセッサがRaspberry Pi 3の心臓部になります。
3. 電源ボード
マザーボードの左がわの基板は、電源ボードです。 5Vの入力電圧から3.3Vや1.8Vの電圧をつくって、マザーボードに電気をおくります。
乾電池でうごかしているときは、入力電圧は6V以上になります。 電源ボードは、乾電池からの電圧をいちど、となりのDC/DCボードおくって、5Vの電圧をうけとります。
ACアダプターと乾電池、両方がつながっているときは、ACアダプターから5Vをとるような回路がはいっています。
電源ボードには電源管理用のマイコンがのっています。 このマイコンは、つぎのようなさまざまな処理をしています。
- 電源ボタンの状態をよみこむ。
- ステータスLEDの状態を監視する。
- 乾電池の電圧をはかる。
- アナログスティックの値をよみこむ。
電源管理用のマイコンは、マザーボード上のマイコンとI2Cでつながっています。
4. DC/DCボード
マザーボードの下がわの基板は、DC/DCボードです。 乾電池からつくられた6Vをこえる電圧を5Vにおとして、電源ボードにおくりかえします。
5. サウンドボード
マザーボードの右がわの基板は、サウンドボードです。 CM3Lは、I2S端子からデジタルオーディオ信号を出力できます。 その信号をDACとアンプを経由して、じっさいの音にかえます。
6. RTCボード
電源ボードのうえにある基板は、RTCボードです。 ちいさなICのなかに時計がはいっています。 電源ボードにはボタン電池ものっています。 外部の電源がつかえないときも、この電池をつかって時計だけはうごかします。 時計のICは、マザーボード上のマイコンとI2Cでつながっています。
ステータスLED、電源ボタン、リセットボタンも、この基板上にのっています。
7. ボタンパッドボード
サウンドボードのうえにある基板は、ボタンパッドボードです。 GPIO端子に4つボタンをつなげています。 これをマウスボタンのかわりにつかえるようにしているのは、デバイスドライバー(eub_mouse)のやくわりです。
8. バッテリーボード
いちばん下がわのおおきな基板は、バッテリーボードです。 乾電池6本を直列につないで、電源ボードに電気をおくります。